ブラボー、僕たち!
LCAヒム(HYMN:校歌)を歌い終えると、私は大抵息が上がっている。
ふと周りを見る。子どもたちはどうなのだろう。ある子はやっぱり肩で息をしている。顔が真っ赤になっている子、隣同士で笑いあっている子もいる。でも共通して言えるのは「やり切った!」という表情だ。
一体何をしたのかというと、校歌だ。全校で校歌を歌ったのだ。えっ?校歌はそこまで気持ちの良いものなのか。 LCAの校歌は長く、歌詞はすべて英語で、はっきり言って難しい。毎年音楽の先生は1か月以上をかけて新入生に校歌を教えていく。
作曲は音楽科教諭のビクトリア・タングル先生。作詞をしたのは学園長で「こんな感じでどうだろう」と私にも相談しながら魂を込めて作っていたと記憶している。今から10年以上前の話だ。
さて、いざ自分で歌おうとすると、なかなか覚えられない。車の運転席の横に歌詞を置き、大声で歌いながら通勤するが途中でいつも詰まる。それに3番の “ The bright and shining morning ” のところはどうしても音符に入りきらない。
半年近くかかってやっと歌えるようになった。やれやれ、この年になると歌一つ覚えることがこんなにも苦労とは。 でも自信をもって大きな口を開けて歌えるようになると本当に気持ちが良い。
うちの子どもたちはスポーツディや卒業式、アッセンブリー(朝礼)のときに必ず歌う。しかも思い切り歌う。 ある日のアッセンブリー、その日はいつにも増して子どもたちが明るかった。校歌もこれ以上ないぐらいに一生懸命に歌っている。
その日の指揮者は5年生の男の子(指揮者は音楽クラブの子が順番に担当することになっている)。面白いのは指揮者が登壇した段階で指揮者へのエールと拍手が沸き起こるのだ。 そして校歌は佳境に入り、いよいよみんなのテンションが上がる。
そして最終パートへ、“ In LCA we build hopes and dreams. We rise right up stand strong as one family. Come and join with one acclaim one heart one voooooooice!” 歌い終わった。するとここで、3~4年生の中から「ブラボー!」という声が上がった。そして大きな拍手が。
これには私もびっくりした。今までいろんな学校で校歌を聞いたが、「自分たちにブラボー」は初めてだ。達成感にあふれた顔を互いに見合ってさらに高揚していく。教師たちも満足気に笑っている。この日、あらためて思った。
LCAヒムは、子どもたちと教職員を含めたLCA国際学園の宝物の一つだ。
学園長の次の野望は、LCA校歌を2部合唱以上で歌うことだ。
【副学園長・山口千恵子】