11/9エデュケーショナルレクチャー(登壇者:参与 今井洋介)の報告と保護者の感想
11/9に参与の今井洋介先生による第1回エデュケーショナルレクチャーが行われました。
今回のレクチャーはオンラインとオフラインを同時に実施。
合計34家庭の保護者の方々にご参加いただきました。
テーマは「人新世の学校教育~次代を生きる子どもたちに伝えたいこと~」
今井先生は、4月からの毎月Assemblyで子どもたちに「せかいのみかたをかえてみよう」というお話をしています。
その話の意図を解説しながら、子どもたちが社会に出ていく10年後の世界を見据えた学校や教育の在り方について、今私たちが置かれている社会の状況や今までの日本の学校教育の仕組みなども踏まえ、ご自身の考察を語ってくださいました。
地球環境が危機的状況にある、ということを、改めてIPCC(気候変動に関する政府間パネルデータ)の報告書や、データ、ニュース映像などで確認したり、日本の経済や人口減少の状況をグラフなどをみながら確認。これらを「子どもたちの未来のの世界予測」という視点でみたり、そこから逆算して「子どもたちに必要な教育」を考えたりする内容に、ご参加下さった保護者の方々、また教職員も、熱心に聞き入っていました。「子どもたちの教育を考える際には、先ず大人の我々が意識をUpdateする必要がある」という今井先生の言葉が印象的でした。
レクチャーの最後には来校した保護者同士で意見交換を行いました。
学年もクラスも違う保護者の方同士で最初は少し戸惑っていらっしゃる様子も見受けられましたが、LCAで子どもの未来を考える熱意のある方たちばかりだったので、すぐに打ち解けて大盛り上がり。
盛り上がりすぎて時間が足りず、途中で切らせていただく形となってしまいました。
レクチャー後にはたくさんのご感想をいただきました。
ここではその一部をご紹介させていただきます。
・G1保護者
10月のサテライトスクールに参加した際、今井先生の考えに共感し今回参加させて頂きました。サテライトスクールに参加するまでは正直環境問題についてもあまりよく分からずに過ごしていました。しかし山田さんの漢方米を知ったり、環境問題への意識が高い方達と触れ合い、私自身も少しずつ環境問題への関心が深まりました。
今回のレクチャーでも沢山の学びが有りました。世界中が豊かになっていってると思っていたのに飢餓で亡くなる人が増えていること、海鳥がプラスティックを誤飲して死んでしまうこと、ガーナに電子機器の墓場がある事、コットンを作る際に沢山の農薬が使われている事、、、今の生活の中で暮らしていたら見過ごしていた事を知れてとても勉強になりましたし、子供達の未来の為に自分が出来ることは何だろうと考えるきっかけになりました。
サテライトスクールから帰って来てからは無農薬野菜を意識して選ぶようになりましたし、今回のレクチャーを受けてオーガニックコットンに興味を持ち早速パタゴニアのサイトを見ています。商品を選べる立場に有るのなら積極的に地球環境に優しいものを選ぼうと、たった2ヶ月弱の中で意識がガラリと変わりました。今日から牛乳も賞味期限が短いものを、おにぎりも手前のものから購入しようと決意し帰りの車の中で子供達にも話しました。
・G2保護者
大切なことを考える時間をありがとうございました。普段時間に追われていると、何か効率的に過ごさなければいけないような気持ちになりますが、そもそもにその効率的ということと、と立ち止まり、自分に問う必要を感じました。不確定な時代だからこそ、自分が親としてという前にまず人間として何を大切にしたいのか、それを子供と共有したり、対話していきたいと思いました。
環境問題、戦争、貧困など一見自分とは違うところで起きていることを自分事にまで落とし込んで考えることや意識することは難しい、しかし考え続けることで思考する癖がつくと思っています。また当たり前といわれていることが本当にそうなのか、ということを常に考えることを親である自分が意識したいです。
問いを立てることは難しいことですが、まず問いを考える行為自体を子供と楽しみたいと思います。
・G3保護者
子供からアッセンブリーでの話を聞いていたので、今井先生から【見方を変える】絵や水問題の資料などを見せて頂き、『あぁ、子供が一生懸命話してくれていたのはこの事だったのかぁ』と答え合わせが出来たようで、とても嬉しかったです。どのお話も本当に興味深く、同じ話でも毎月お聴きしたいくらいでした。
このレクチャーが家族で再び【ミライ】に関する話をするキッカケとなりました。3年生になった頃から、子供がハンカチが無くても小学校に備え付けてあるペーパーがあるから大丈夫と言い出していた事が気になっていたのですが、ペーパーで手を拭けばゴミが出る→ゴミを入れるプラスチックバッグも必要になる。と改めて子供と考え、ハンカチを使うことを見直したり、週末公園に出かけた際に、私が無視をしようとしたプラスチック製の壊れた玩具を、これが海まで流れて行くのだよ。(話聞いたでしょ?という顔で)持って帰った方が良いのじゃない?という話をしたり、お互いに同じ話題を耳にすることで、一時でも意識の変化があったことを有り難く思いました。
・G4保護者
日々子育てをしていて感じるモヤモヤ…これからどうなるのか予測できない未来を、子どもたちがどんなことがあっても幸せに前を向いて生き抜いて行けるように、どんな力を育ててあげればいいのだろう…という漠然とした不安を持っていました。特にコロナ以降は、危機感を強く感じます。今回の今井先生のお話を聴いて、同じ年齢の子どもを持つ親として心から深く共感いたしました。
息子は今井先生のアッセンブリーが大好きで、家庭でもどんなお話を聞いたのか、どう感じたかたくさん話してくれます。先日のお水の話もとても心に響いたようで、毎日少しずつRaz-kidsに取り組み、スターを貯めてドネーションしています。また最近は息子と共に英検の勉強を通して世界の様々な情報、情勢、問題を知り、自分がいかに無知で乏しい価値観であるかを思い知らされました。
他にも沢山のご感想や次回のレクチャーへのリクエストをいただきました。どうもありがとうございました。
今井先生のレクチャーは、次回は2023年の2月頃を予定しております。興味がある方はぜひお気軽にご参加ください。
今回は、ご参加いただきありがとうございました。子どもたちにどんな教育が必要かと考えるときには、子どもたちが生きる未来の社会から逆算して考えることが必要です。そのためにはまず、私たち大人自身が、今の社会やこれからの世界について考えることが大切です。地球環境をはじめ、多くの問題を抱えた困難な時代といわれ、人類の未来を決める分岐点がすぐそこに迫っているとされる今、私たちがどう生きて行くかを考えることが、かつての時代以上に問われています。
子どもが明るくたくましく成長していく姿に、思わず「ありがとう」という気持ちになります。今の世界と未来への展望を大人がしっかりと捉え、そのうえで胸をはって「未来は希望で溢れている」と子どもたちに伝え続けられる日々にしなければと思います。
学校教育の現場で20年を過ごしてきて今思うことは、いままでの学校教育の仕組みでは、これからの時代を生き抜く子どもたちを育てていくことは難しいということです。同一で均質な力を、管理と競争の中で育んできた従来型の教育のシステムでは、これからの時代に必要な、多様で多彩な個性、自律心や尊重心、強さやしなやかさを育むことに、コミットしにくい。多様性の中で生きるための支えとなる自己肯定感やWell-being(幸福)を育もうと思うほどに、教育の在り方を見直す必要があると、私は感じています。
だから、まずは大人(親)自身のUpdateが必要である、そんな思いを伝えたくて、今回の内容の組み立てを考えました。子どもたちと毎月考えていることと同じく、「せかいのみかたをかえる」そんなきっかけになれていたら、幸いです。
既存の型にとらわれず、ますます家庭と学校とが一体となって、私たちの未来、子どもたちの教育を支えていければと思っています。ありがとうございました。
(参与 今井洋介 先生より)
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